風吹荒記・リバース

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

Cross sky-guardians

昔、グランド・フォースを書いていた頃のような勢いのものが続きに格納されています。
何を思って突然書いたのかは不明だけれども、何だか懐かしくなった。


現行サイトにCross sky-endlineという作品があります。
pixivでは男の子が何か女の子になったりお人形になったりとかいうかなりの変わり種が置かれているのに対して、エンドラインは完全に旧サイト時代の系譜です。
ただ、長編は完結させられない……ということで、ちょっと短い話としてまとめたのでした。
(現行サイトには途中まで書いて停止した作品があったりします)
元々「Cross sky」という話の構想が存在し、その中から一部を抜粋したものがエンドラインというわけです。

で、そのまま寝かせておくのも勿体なく思ったわけですね。


そしてもう一つ。
旧サイトでも度々停止したものがあります。
ポケダン小説の探検隊編とか。
フリーゲームを作ろうとして全くダメだった「ANGELIC GUARDIAN」とか。
その中で考えていたキャラクターを何とかどこかに出すことを考えていたのです。

それらをちょっと弄った結果が……これ、だったり。
今回書いたものは全てにおいて未定です。はい。






 喧騒に身を委ねてみると、それは思った以上に心地よかった。日々の癒しを何に求めるのか。ただ、妙に気分がいい。
「おや、久しぶりじゃないか」
「どうも」
 俺を見た酒場のマスターは後ろを向くと手慣れた動作で何かを作り始めた。もう俺だってガキじゃない、そう言おうとして……やめた。あの頃の味を、あの頃の感覚を懐かしみたくて。
「ほら、スペシャルミルクだ」
「どうも」
 それだけしか言えねえのかと笑われた。苦笑を返すだけで精一杯だ。思い出の場所というのはどうもよくない。ただただ気分に浸りたくなる。

扉が乱暴に蹴破られる音を背にゆったりとミルクを飲む。甘い。蜂蜜の入れ過ぎな気がするが、相変わらずそれが舌に合う。残念なことに、俺は相変わらずガキなのかもしれない。
「ちょっくら邪魔するぜぇ」
 下品な声を背にミルクをかき混ぜる。マスターの腕は本物だ、そんなことをする必要も無い。だけどついついやってしまう。ああ、本当にガキだ。思わず笑ってしまった。
「あ? おい、そこのガキ……笑ったな」
 ドス、ドスとわざとらしく立てられる足音。さすがに耳障りだと思って振り向いてみると。
「おお」
 思わず感嘆の声を漏らしてしまった。まさに大男だ、おそらく身長が倍はある。俺はやや背が低い部類だと思うが、さすがに倍にすれば大きい。何を食べたらそんなに大きくなれるのか教えて欲しいくらいだ。
「おいガキ、痛い目を見たくなければ……」
「ちょ、ちょっとアンタ。やめた方がいい」
「ああ? んだテメェ、俺が」

 マスターの注意も虚しく、直後に男は悲鳴を上げることとなる――そう思った。そして、そうなった。油断していたのだろう、とはいえそれを差し引いても弱い。腕力があれば何でも思い通りになると勘違いしているような奴が強いはずもない。
「ううっ、うぐ……な、何が起きた?
 倒れ込んだ男は、訳も分からない様子で俺を見上げていた。ただ、その視線が俺の左手に移ったところで急に顔が強張りだした。
「な、何だオマエ! 何なんだ!?」
「俺はただの騎士崩れなんだが」
 どれだけ図体が大きくとも恐怖を感じれば青ざめるらしく、慌てて立ち上がると店の入り口に駆け出して……扉に思いっきりぶつかった。
「うっわぁ」
「ヒ、ヒィィィィ!」
 もう恥も外聞も無く醜態を晒し逃げていく……思い切り顔面を強打したように見えたが、鼻が折れていないだろうか。ちょっと心配になる。左手に持っていた剣を鞘に納めて座ると、ミルクの蜂蜜がちょっと底に沈んでいた。
「いやあ、すまないね。最近ああいうゴロツキが多くて。普段は誰かしら腕っ節の強い人がいたりするんだけど、今日は君くらいしかいなかったね」
「ふーん。用心棒でも雇えば?」
 正直な話、興味はすぐに消え去ってしまった。ミルクをかき混ぜながら頬杖をつく。何も変わったことの無い、穏やかな時間だ。



「用心棒募集……うおお、自給が高い!」
「え? どんな感じ……本当だ! やろう!」
「いや、お前はダメじゃね?」
 また甘々のミルクを飲んでいた。朝早くは静かだと思っていたのだが、突然騒がしくなり始める。こんな朝早くからどこのどいつだと思って見て見れば、片方はそこそこ身長が高い、そしてエメラルドグリーンのやたら目立つ髪色の男、そしてもう片方は修道衣に身を包んだ少女だった。
「酒場に修道女が来る時点でどうなのかねえ」
「彼女はよくウチに来るな。西の通りの教会に勤めているそうだが」
「へー」
 気の無い返事をしつつまたちまちまとミルクを飲んでいると、その二人組はわざわざ俺の隣に座ってきた。
「マスター! わたしを用心棒に雇って!」
「いやだからお前な」
「あと蜂蜜!」
「聞けよ」
 蜂蜜単品とは通を飛び越えて斬新だ。しかしマスターは慣れた手つきでグラスに蜂蜜を注いで行くと……そのまま出した。本気か。
「いただきまーす」
「うへぇ……人の飲み物じゃねえよそれ」
「蜂蜜だけっていうのは飲み物ですらなくないか」
「お、あんたもそう思うか? もっと言ってやってくれよ……」
 エメラルドグリーンの髪の男は助けを求めるかのようにこっちを見てきたが、そんなことを言われても困る。
「ケルピア、何かそこの金髪もそう言ってるし、せめてミルクくらい入れようぜ」
「えー……はちみつぅ……」
 ケルピアと言うらしい修道女は頬を膨らませて抗議をし始めた。駄々っ子だろうか。駄々っ子だろうな。
「天使様も言いましたー、蜂蜜美味しいって」
「馬鹿ばっかか!」
 欲を無理に抑えることは無い……とでも有り難い言葉を聞いたのかと思えば。何の宗派なのか気になってしまう。新手の勧誘だろうかとも思ったが、違うかと思い直した。裏表を感じない……少しばかり羨ましい。
「マスター! 用心棒!」
「やってくれるって言うなら頼むよ」
「やる!」

 隣の二人が色々言い合っているのを後目に、俺はゆっくりとミルクを飲み続けていた。



 アエテルタニス王国首都の西広場……中央広場の建国の英雄像に対し、この西広場に立つ守護の英雄像。酒場の出入りを監視しつつ、暇があるとそれを見上げていた。
 かつて東の帝国と繰り広げられた戦争、その中でこの国を守った二人の英雄、アルバートとラーグ……その二人は別々の信念を掲げつつも背を預け戦ったと言う。羨ましい限りだ。俺は背を預ける相手もいなければ、戦う場所も無かった。この街は、思ったより平和だ。
 この平和な街で、騎士団は必要無いのではないか。帝国とも和平を結び、そしてこの現状でも侵略を仕掛けてこないというのに形だけの騎士団が必要だろうか。

『必要だ! いつ何が起こるか分からない以上、備えがあるに越したことはない!』
『たった二人だけの騎士団で何の備えになる』
『それは……いや、きっと他にも同じ志を持つ奴が……』
『そんな可能性に賭けるか? 下らないな、ノルム。俺は抜ける』
『なっ……待て、ディル! ディル!!』

 出るにしてももう少しまともなことを言えなかったのかとも思うが、どうにも口の悪さは直るものでもないようで。昔も友人をよく怒らせたものだ。
「騎士ねえ」
 今やたった一人だけの騎士団より、王城を守るただの兵士たちの方が頼りになりそうだ。それに、確かもう一人の英雄……ラーグは精鋭の部下を有するという話。有事の際にも、そいつらに任せればいいのではないだろうか。とにかく……俺は騎士団に意義を見出すことはできなかった。
 ただ、馬鹿はいるらしい。
「……ん?」
 街角に置かれた掲示板に珍しく張り紙があった。暇潰しにはなるだろうと思ったが……思った以上に興味を惹く内容だった。
『王国騎士団に新団員二名現る!』
「おお」
 素直に関心した。今時、そんな意識のある奴がいるのかと。肖像に描かれた男女の表情は真剣そのもので……俺とは大違いだと、そう感じた。
「ディル! そろそろ交代だぜ」
「デュナミス……もうそんな時間か。後任せた」
「おう! ん、ところで何見てたんだ?」
「ああ、これか。ちょっと見物しに行ってくる」


 俺の足は早々と王城に向かい始めた。ただただ、面白そうだったから。それ以上の理由も無い。果たしてその二人がどれほどの酔狂か……この目で確かめてみよう、と。そんな、些細な始まりだった。






設定とか何も考えない行き当たりばったりの塊。(実際には設定そのものはある)
続きを書くとしたら数話分くらいの短い話にまとめると思います。

一人だけ過去名前の出たことのないキャラがいるのは元々の構想にいたキャラです。
果たして書く日は来るのか。

なんか、ここに書いていることすら昔っぽいノリな気がする。
何となく、楽しい。
スポンサーサイト
日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<一つの呪い | HOME | ある意味、風吹き荒れている日記>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。